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糸島の家庭の真ん中に「マイタウン伊都」を ―地元の奥深さを知って、地域に誇りを持てるフリーマガジンを届けたい―

福岡県では「糸島」がテーマの情報を、テレビや雑誌などの媒体でよく見かけます。
季節に合うお出かけスポットや新しくできたお店を紹介し、毎年発行されるガイドブックは、糸島の本屋さんでもよく売れています。
これらの媒体の多くは福岡市など糸島以外の地域で作られたもの。内容も「外から見た糸島の情報」と言えます。
じゃあ、糸島の地域内で作られ、「内から発信する糸島の情報」とは何なのか?
糸島で、糸島の人のための情報発信業を営む「糸島の情報発信屋」とは、どんな人たちなのか?
どんな思いを込めて取材し、情報発信しているのか!?
いろんな「糸島の情報発信屋」の真相を探求し、「糸島の情報発信」の深層を探究します。

初回の登場となる「糸島の情報発信屋」は「マイタウン編集室」です。
「マイタウン伊都」は、糸島の地域を良質な特集やイベントなどの記事面と、グルメやスクール等、多種多様な広告面で発信し続けている無料の情報誌。
2015年の創刊から2020年12月号で68号まで号数を重ねています。
実は糸島エリアで定期的に発行されている無料の情報誌はマイタウン伊都のみで、糸島を知るための貴重な情報源だと言えます。そんなマイタウン伊都を作っている人はどんな人たちで、どんな思いで制作しているのかーー。
マイタウン編集室におじゃましてマネージャーの圓尾(まるお)容子さんと編集スタッフの中村香代子さんにズバリ聞いてみました。

地域みっちゃく生活情報誌「マイタウン伊都」
目次

家庭の中心にあるフリーマガジンだからこそ、安心して読める「読み物」を

―圓尾さんと中村さんのそれぞれの担当業務をお聞かせください。

圓尾さん:マネージャーとして、1冊を作り上げるために必要な巻頭特集などの編集面や、広告掲載の営業に加え、数字や目標設定などの管理業務も行っています。

中村さん:私は編集スタッフとして巻頭特集のディレクションから取材、ライティングまでしています。他にはイベント情報や読者の感想を載せるページなども担当しています。

―お二人が携わっている「マイタウン伊都」。どんな特徴の媒体なのでしょうか。

圓尾さん:巻頭特集をはじめ、地域ならではの情報が詰まっていて「読み物」としての位置づけにあるフリーマガジンです。

「人と話すことがプラスになっています」とマネージャーの圓尾容子さん

―なるほど。ではマイタウン伊都はどんな「読み物」なのですか?

圓尾さん:お子様からおじいちゃん、おばあちゃんまで、家族みんなで楽しんでもらえ、いつも家庭の中心にあるフリーマガジンでありたいと思っています。そして、地域の情報を読んで・知ってもらうことはもちろんですが、マイタウンは地域の方の「顔(写真)」が多く出ています。そこで、友人や知人の写真を見つけて楽しんでもらっているようですね。

―家族みんなで楽しんでもらえる「読み物」にするために、どんなことを重んじたり心がけたりしているのでしょう?

圓尾さん:「全世代が安心して読める」ことにこだわっています。少し難しい話にはなりますが、掲載基準や表記基準を設け、編集の段階で編集室スタッフ数名で表現などをチェックしています。

巻頭特集を担当する中村香代子さん。「休みの日でも頭のどこかに特集のことがあります(笑)」と話す

巻頭特集は、糸島をもっと好きになってほしいから、多角的な視点でテーマを深掘り

校正中の原稿用紙

―マイタウン伊都の巻頭特集は糸島を支える人や特産品、地域の伝説、バス路線、宇宙開発に寄与した中小企業など幅広い対象を取り上げていて、毎号楽しみにしている読者も多いです。巻頭特集の制作で重視していることは何ですか?
圓尾さん:住んでいても地域について知らないことは、たくさんあると思います。だからこそ私たちは誌面を通し、地域の素晴らしい、また、誇りに思ってもらえる活動や人、モノを伝えていけるようにと考えています。読者アンケートで「なるほど!」「知らなかった」などのコメントがくると嬉しいですね。

―テーマの切り口というか、取り上げ方が肝心になってきますね。

圓尾さん:そうですね。いろんな視点から考えています。誰もがわかる表面だけを見るのではなく、その奥深いところやそれにまつわる周囲との関係も調べるようにしています。そこで、これは読者に伝えたい、興味を持ってほしいと感じた内容をさらに深掘りし、中村や編集室スタッフと一緒に検討していきます。

―ネタ探しはどうやっていますか?地元の人も知らないネタとなると見つけるのも大変そうですが。

中村さん:西日本新聞や糸島新聞、「広報いとしま」は必ず目を通します。校区の「コミュニティセンターだより」は「こういう活動団体があるんだ」と知るきっかけになりますね。気になった新聞記事は取っておくこともありますよ。

直接地元をまわって見つけることは?

圓尾さん:まずは、地域のことを私たちがよく知ることが大切ですよね。私がしていることのひとつは、産直に行ったら店内を一周すること。ここでは、季節の野菜はもちろんですが、加工品や生産者のチェックもします。また、営業先や友人・知人との会話の中でヒントをもらえたりもしますよ。

面建てや取材先の選定などについて打ち合わせをしていく

―取材先の候補がいくつか上がってくると思うのですが、取材先はどう選定していますか?

中村さん:たくさんある中で選ぶとなると、「そこだけの特徴」があるかどうかですね。話を聞くと、その人そのお店だけの考えが必ずありますし。

圓尾さん:中村が詳しく調べてくれた後、2人で取材先をさらに調べてから選んでいきます。

中村さん:「ああでもないこうでもない」って言いながらね。

圓尾さん:巻頭特集のテーマも大切ですが、より魅力ある内容にしたいので、幅広いジャンルの内容を取り上げ、取材先も多岐にわたるように気を付けています。

中村さん:例えば、9月号の「プラス1のごちそう。」のときは12品の加工品を載せたのですが、糸島は海のものも山のものもあるし、地域も広いので志摩、二丈、西区と偏りのないように選びました。

―テーマの取り上げ方にも取材先の選定にも、「読み応えのある特集にしたい」というお二人の強い思い入れが感じられますね。

「糸島から、宇宙へ」は地元企業のものづくりに対する技術と熱意を取り上げた特集

中村さんが新聞やテレビで見て気になっていた企業を7月号の特集で取り上げた

―特徴のある取材先といえば、2020年7月号の「糸島から、宇宙へ」はとても興味深かったのですが、取材先はどのように決めたのですか? 

中村さん:取材した峰勝鋼機さん(バネの専業メーカー)は新聞で見つけました。「糸島にこんなすごい会社があるんだ」と、ずっと気になっていて記事を切り取っておいたんです。もう一つの熊本精研工業さん(精密金型部品メーカー)はテレビで取り上げられていて。「世界につながる何かで特集できないかな」と考えたときに、この2つの会社が結びつきました。

―小さな工場で、実は宇宙に飛び立つものをつくっていたなんて!とびっくりしました。

中村さん:峰勝鋼機さんは志摩松隈にあって自分がよく通る道沿いなんです。意識して見ないと素通りしてしまう場所で「ここだったんだ!」と驚きました。初めて気付いたのですが、会社の前には大きなバネがあるんです(笑)。

―ああ、写真にありましたね、大きなバネ!

中村さん:この糸島に、宇宙に旅立つほどの優れた技術や人材があって、ものづくりに挑戦し続けている会社があることを私自身知ることができたし、「誇らしい気持ちになった」という感想もあって嬉しかったですね。

読者ありきのマイタウンだから、的確な広告表現を

圓尾さんが担当したグルメ広告

マイタウン伊都で特集と並び欠かせないのは、地域のお店や習い事教室など多彩な広告ページだと思います。広告の価値や効果を高めるために、どのような取り組みをしているのですか?

圓尾さん:広告については、もちろん有料なのでクライアント様が載せたい情報を教えてもらうようになりますが、そこにマイタウンの読者層を擦り合わせるようにしています。掲載効果があるように、よりベストなタイミングと内容にしたいですからね。また、読者が読みやすいように「第三者の目線」での原稿作成をしています。あとは、その時の情勢ですね。いろんなことに常にアンテナを張り、提案することを心がけています。

―営業としてやりがいを感じるのは、どんなときですか?

圓尾さん:読者からの反響があったときです。その時は、掲載くださったクライアント様と一緒に喜んでいます。個人的には、私が提案した内容をそのまま掲載して反響があった時が、一番嬉しいですが(笑)

―そこまでクライアントから任せられているのは信頼があるからですね。

圓尾さん:任せられるというのは、おこがましいと思いますが、「任せてもらいたい」という気持ちは常に持てるように日々勉強ですね。

編集スタッフと営業スタッフで作り上げるマイタウン

―マイタウンには「伊都」と、姉妹誌の「西新・姪浜」がありますね。スタッフの体制はどのようになっているのですか?

圓尾さん:編集スタッフは5人、営業スタッフは6人います。

制作現場のマイタウン編集室

―マイタウン西新・姪浜の制作もこちらで?

圓尾さん:はい。外部スタッフもいますが、ここの編集室で作っています。編集スタッフ1人と営業スタッフ4人は、早良区西新の事務所にいます。

―営業スタッフの仕事内容は?

圓尾さん:有料での広告掲載をお願いするために毎日、配布エリアである今宿から糸島市内を車で駆け巡っています。多い時には、80km以上走り、30以上の店舗に顔を出すこともありますよ。広告掲載の申し込みがあれば、打ち合わせ・原稿作成、必要に応じ、写真撮影など仕事は多岐にわたります。

―マイタウンの制作期間はどのくらいですか?

中村さん:制作に最も時間がかかるのが特集で、企画から原稿作成まで2ヵ月くらいでしょうか。テーマによっては3、4ヵ月かかるときもありますね。特集は年間を通して動いているので、複数号を同時進行しているときもあります。校了日までの1~2週間はみんな特に忙しいですね。

家族で楽しんでもらえる地域密着情報誌であり続けたい

マイタウン編集室のみなさん

―圓尾さんと中村さんがこれから力を入れていきたいことは?

中村さん:編集としては、子どもの興味がわくテーマや内容を取り入れていきたいです。子ども達にとって、自分のまちの素晴らしさを知るきっかけとなれば嬉しいですね。

圓尾さん:営業面では、今まで出向くことができていない事業者様へも力を注いでいきたいです。何度も足を運び、顔を合わせるのが「糸島らしさ」だと感じています。相手を知ることが一番大切なのでお店やその会社の話を伺いたいですね。そこで初めてマイタウンの提案ができるようになりますから。

―最後に、今後「マイタウン伊都」がどんな媒体でありたいか、目指していることを教えてください。

圓尾さん:家庭の真ん中にあり続けたいです。「あのお店、マイタウンに載ってたよね」と思い出して、手に取って開いてもらえる存在が理想。困った時の手助けになる媒体であり続けるためにも、編集と営業の両立を重視して作り上げていきたいです。読者の中にはバックナンバーを何年分も取っている方がいらっしゃるんです。もっと内容を充実させてボトムアップしていきたいですね。

圓尾さん、中村さんの話を聞いていると、特集テーマの面白さと対象者を見つけ出す発掘力、地域のさまざまな事業主へのアプローチ力に感嘆しました。同時に、「糸島の情報発信屋」という同業者としては心地よい闘志がかきたてられました。地元の糸島にまつわる品質の良い情報発信を競っていきたいと思います。
圓尾さん、中村さん、ありがとうございました!

マイタウンWEBには、創刊号からの巻頭特集のバックナンバーがアップされています。

あの記事をもう一度読みたい方、糸島に来て間もない方もぜひ読んでみてください。

https://www.mytownweb-fukuoka.com/

【創刊日】  2015年4月
【発行日】  毎月第4金曜日  ※月によって異なる場合あり
【発行部数】 約50,000部
【配布エリア】(福岡市西区)今宿から西の周船寺、九大学研都市などJR筑肥線沿線と今津、西浦まで
       (糸島市)波多江~加布里までJR筑肥線沿線、前原市街地など。約46,000部配布
【設置場所】 西区役所、さいとぴあ、イオンモール福岡伊都、伊都菜彩休憩所、福ふくの里、
       イオン志摩ショッピングセンターなど約30ヶ所 約4,000部無料設置

インタビュー:尾崎キョウコ

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この記事を書いた人

福井県出身。糸島移住5年目。
車中心の生活にカツを入れるべく、最近は、糸島の自然を感じながらウォーキングしています。自宅周辺から見える背振山地と見渡す限りの広い空、田畑が広がる景色が好き。

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