前原商店街にある酒屋、ビアシティ江川酒販は、和紙とリボンを使ったギフトラッピングを無料で行っている。色違いの2枚の和紙をずらしてから重ね丁寧に包み、かけたリボンの結び目の部分を細かく裂くと、華やかな贈り物が仕上がる。
ラッピングを始めたのは、3代目店主の江川千津子さん(74)だ。千津子さんが20代前半で店を継いだころ、問屋で開かれるラッピング教室に出向いて基礎を学んだ。その後は自ら考案したアレンジを用いてセンスを磨いてきた。男性店主の酒屋が多い中、「女性店主としての活路を見出したかった」と当時を振り返る。
顧客の中には、贈った人に喜ばれるラッピングを求めて来店する人もいるという。
店内レイアウトにもこだわっており、季節にちなんだ造花や手書きのポップで装飾が施されている。「自分がこうしてもらったら嬉しい」という思いを常に持っている千津子さん。
現在は息子である4代目の貴弘さん(44)にもその思いが受け継がれている。