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利用者交流会「グラフィックデザイナーに聞いてみたい10のコト」開催レポート

糸島市テレワークセンターでは昨年から毎月1回のペースで利用者交流会を開催していました。今年度よりこの利用者交流会がバージョンアップ! ゲストをお招きして、お仕事やテレワークのこと、糸島での暮らしことなどをお聞きするトークイベントを開催。 第一弾は5月25日、ママトコラボからもポスターやチラシのデザインを依頼しているヒダカデザインの日高早苗さんにお越しいただきました。(日高さんのデザインによるタペストリーとチラシ。左:当日司会進行のテレワーク相談員田口/右:日高さん)

グラフィックデザイナーとは

日高さんがこれまで手掛けたデザインのあれこれ。

designproduction
日高さんが手掛けたデザインの数々

すべてパソコンを使って作成するのですか?という質問には「パソコンを使って作りますが、真鯛フェアの鯛はタブレットと専用のペンで描いてます。手描きも好きです」とのお話があり、参加者から「ええ~!これ、手描きの絵!?写真の加工だと思ってた!」と驚きの声があがりました! 

今はフリーランスのグラフィックデザイナー&イラストレーターの日高さんに、まずはフリーランスへの道のりをお聞きしました。

フリーランスになるまで

もともとは、デザイン事務所に勤務していた日高さん。取引先の百貨店がデザインチームを内製化するということになり、百貨店に転職されます。

「10年ほど百貨店のデザインチームで仕事をしてきました。チラシや販促品などその百貨店で使う全てのデザインを内製化して制作するので、企画から制作までデザイン業務の一連のながれを身につけたことが、今の仕事で役に立ってます。

また、百貨店で勤務していた時期に結婚しました。結婚するときに退職しようかと思ったのですが、子どもを持つことも考えているなら、産休育休取得してからにしたほうがいい、フリーランスだと育休取れないよと当時の上司から言われて、その時は退職を思いとどまりました。その後、出産時には産休育休を取得し時短勤務で働くことができました。

しかし、百貨店の従業員なので繁忙期のお盆正月などは朝から店頭に出ることもあって大変で、デザイン一本で仕事をしたいと強く思うようになり、退職してフリーランスになりました。」

会社の制度に助けられた、結婚と同時にフリーランスになっていたら、フリーランスとしても母親としてもダメになっていたと思う、と今は感じているそうです。

フリーランス、仕事はどこから?

「百貨店時代やその前のデザイン会社時代からの仕事のつながりでお仕事をいただくことが多いです。フリーランスになったときにご祝儀的に仕事を依頼してくださった方が継続して案件やご紹介をしてくださったり。」と、これまで培ってきたつながりやご紹介で案件を受けているとのこと。数年前に糸島に転居してからは、糸島の農家さんの段ボールやシールなどもデザインされたそうです。糸島でお仕事を受けると、数珠繋ぎのように紹介が重なっていくことがあり、コミュニティのつながりの強さを感じるそうです。

「糸島に住んでます、と言うと『糸島のことわかるのね』と思われてお話がすすむことがあって。できるだけわかるようになりたくて休日はドライブで糸島のいろいろなところに行ったりしてます」と、にっこり。

仕事をするうえで大事にしていること

オンラインの打合せが主流になりつつある昨今。日高さんの打合せスタイルとは?

「打合せはできるだけ対面で行います。メールなどの文章のやりとりだと要件だけになってしまうのですが、顔を合わせて直接お話をすることで、その案件の背景や何を求めているのかがわかり、イメージがわきやすいです。また、お互いの信頼関係という部分でも大事だと感じます。長くおつきあいしている北九州のクライアントさんにも半年に一度くらいは顔を出すように時間を作っています。」

オンラインに慣れていないクライアントさんもいらっしゃって、顔をあわせたことで出てくる言葉があったりもするとか。

耳をかたむける参加者のみなさんと

プライベートは?

「私は夜中に集中して制作をすることが多いので、夫が息子の送迎や食事を作ってくれたりと助けられています。また、フリーランスで仕事をしていると曜日感覚がなくなってくるので、土曜日の夜は『パーティ』にして、好きなものを食べたりゲームをしたり家族でのんびり過ごす時間にしています。息子も週末が近づくと『明日はパーティだ~』と言って楽しみにしている様子です。コロナ禍でこの『週末パーティ」が我が家で始まったのですが、今では一週間の良いサイクルになっていて、『パーティがあるからがんばろう』と思うようになっています。」

パーティ!いいですね~ ちょっとしんどいときもがんばれそうです!

「夫と私はそれぞれ、ひとり旅の時間をつくっています。ちょうど先週、私は沖縄に行ってきました。沖縄にはアメリカ風の看板などが多くあるので、そういったデザインを見に行きました。ひとり旅の時間は息抜きになっています。仕事で何かあっても旅先にパソコン持っていけば対応できるので、そこはフリーランスの良さですね」

会社員時代にはできなかったことが実現していますね。(ひとり旅いいなあ~)

デザインの引き出し

参加者の方からの「デザインは『引き出し』とよく言われますが、どこでそれを得てストックしているんでしょうか?センスを磨くにはどうしたらよいですか?」という質問に対して、「新人の頃から『色使いがダメ』とか『ダサい』って言われてきたんです、それは厳しく育ててくれたということなんですが、『どうしたらもっとよくなるのか』と必死で勉強を続けてきました、反骨心で『これならどうだ』と攻めたものを出しては却下されたり。生まれ持ってセンスを持ち合わせるということは無いと私は思います。好きだからできることだなと。「好き」「いい」「すてき」と感じるものを写真に撮ったり、とにかく見ます。百貨店時代は理由もなく東京に行って、東京の百貨店を見て、百貨店以外のお店も見て。百貨店に来た方が知っている以上のことを自分が知っておかないと、それ以上のものは出せない。フリーランスになってからの仕事の案件も、そのクライアントの会社や店舗にこっそり行って、リアルに見て感じたものとか雰囲気を覚えて、そこに合う引き出しを自分で探す、その繰り返しです。」

〈見る〉に関するエピソードを他にもたくさん語っていただきました。「街も道も看板のデザインで覚えているので、看板が変わると道を間違えます」

「仕事の問い合わせで『手描きはできますか?』と聞かれたときに、それまでやってなかったけど『できます』って言ったんですね。そこから手描きの勉強をして制作したら、そのあと手描きの案件の受注につながりました。できることが増えると仕事が増えるということをフリーランスになってから感じます。もともと手描きはやりたかったのですが、百貨店時代は会社の方針でNGだったので、フリーランスだからこそという嬉しい状況です。」

参加者の声

  • 合って話すこと、見ること、足を運ぶことの大事さがわかった
  • 同業の方と直接お話する機会になってよかった
  • 参考になることばかりだった、メモがとまらなかった
  • 深いお話がたくさんで、いくらでも聞きたくなった

と、参加された方から嬉しい感想をいただいております♡ 

書ききれなかったエピソードやココだけの話などもあり、予定時間はあっという間に過ぎてしまいました。

デザインのお仕事に真摯に向き合う姿勢やお客様との信頼関係を大事にするお話は、日高さんのお人柄が感じられ、またデザインのお仕事のに対して日々努力を重ねられていることに刺激を受けました。

日高さん、ありがとうございました~! 

交流会3
絵のお仕事のきっかけになったいちじく「とよみつひめ」

次回の交流会

次回の交流会は

6月26日(月)12時30分~13時30分

ゲストは糸島市在住で、沖縄のNPO法人に勤務している立田亜由美さんです!

沖縄に住んでいた立田さんは、環境学習活動などを行うNPO法人の事務局長を務めています。
新型コロナウイルスの流行を機に仕事がテレワークに。
その後夫の仕事の関係で福岡への移住してからも、自宅で仕事を続けています。

対面からテレワークになるまでのお話、これまでのキャリアで印象に残っていることや苦労したこと、
現在大事にしていることなどを伺います。お楽しみに!

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