「素晴らしいねぇ、生きているかのようだね」と傍にいた人が話しかけてくれました。
私たちが見ていたのは鉛筆で書かれた絵です。
11月8日まで西区のさいとぴあで開催されている「小中学生の鉛筆画展」。
作者は、西区の中学校に通う3年生の石川凛空(りんく)さんです。
波多江駅南にある鉛筆画教室「アートスタジオアライヴ糸島支部」の生徒さんで、小学生のときに描いた作品から自粛期間中に描いたものまで、11点の作品が展示されています。
絵の題材は、飼っていた猫、大宰府の観世音寺にある仏像さま、コロナの終息を願い描かれたアマビエなどで、鉛筆だけで描いたとは思えないほど本物そっくりで、目を丸くしてしまうほど。
私が一番すごいなぁと思ったのは、1枚目の写真の「博多山笠子供みこし」。
山笠の掛け声が聞こえてきそうなほど、生き生きと描かれていて心惹かれたのに加え、びっくりしたのは絵のサイズで、鉛筆画とは思えないくらい大きな作品。
縦横1mくらいはあったのでないでしょうか。
素人ながら、一体何本の鉛筆を使って描いたんだろう・・・。
凛空さんが通う「アートスタジオアライヴ糸島支部」。
その教室を開いている香川先生は以前いとネットの取材でお会いしたことがあり、別の日にちょっと連絡してみました。
「作品展をぜひブログで紹介したいのですが」
「大丈夫かと思いますよ。(凛空さんの)ご両親に連絡を取ってみましょう」
ご両親はさいとぴあの近くでお店をしているとのことで、お店に行って話を聞けることになりました。
凛空さんのお父さん、石川浩成(ひろしげ)さんが快くお話をしてくださり、また凛空さんの写真も提供してくださることに!ありがとうございます!
小さいときから鉛筆で絵を描くのが好きだった凛空さんは、両親もびっくりするほど上手で、大好きな図鑑を開いては恐竜や魚の絵をよく描いていたそうです。
その姿を見ていたご両親は、絵画教室を調べて水彩画を体験させてみたり。
「水彩は何か知らんけど上手くなかったね」と振り返り、明るく話す浩成さん。
その後ふと見つけた鉛筆画教室のサイトを凛空さんに見せたら「これがやりたい」と言って、小学3年生のときにアートスタジオアライヴ本部(早良区)の教室に通い始めました。
こちらは凛空さんが小学6年のときに描いた作品「観世音寺毘沙門天立像」。
今回さいとぴあに展示されています。
今回の展示作品を見て「行ってよかったなぁ」と心が温かくなったこと。
それは作品の説明書きと一緒に添えられた言葉の数々です。
「コロナで落ち込んでいる人を1人でも多く元気づけられたら」という思いを込めて、凛空さんの提案で絵の説明文と一緒にエールの言葉を添えることに。
お父さんと名言集を見ながら、人を励ます言葉を選んでいったそうです。
この作品展は今年の3月に開催予定でしたが、新型コロナウイルスの影響で2回延期に。。
自粛期間中にはコロナの終息の願いを込めて、リメイク作品を含む4点を制作したそうです。
バカ殿様など志村けんさんが好きな凛空さん。
「志村けんさんのいっちばんの笑顔の写真をネットで探したんですよ」と浩成さんが教えてくれました。
新型コロナウイルスが流行し始めたころ「何か自分にできることはないか」と考え、中学1年生のときに描いた作品をリメイク。
全国書画展覧会で10月に特選の賞を取ったばかりの老人の横顔を描いた作品「希望」。
(実物は展覧会に出したのでこれはコピーした作品です)
凛空さんのことを「おっとりマイペース。集中力はすごいね。絵も宿題も黙々とやっているね。」と教えてくれた浩成さん。
凛空さんには直接会えませんでしたが、鉛筆画とメッセージから元気をもらいました!
鉛筆画の素晴らしさに触れるとともに、ライターとして言葉の力は人を勇気づけたり明るい気持ちにしたりするもので、改めてすごいなあと凛空さんから教えてもらったような気がしました。
【小中学生の鉛筆画展】
〇日時 10月20日~11月8日(日) 9:00~21:00(最終日は13:00まで)
〇場所 さいとぴあ(福岡市西部地域交流センター)1階
〇入場無料
【アートスタジオアライヴ糸島支部】
https://www.ryu-pencil.com/
糸島市波多江駅南1-2-23
※現在は原則中学生以上の生徒さんを対象としています。
(小学生のお子さんで鉛筆画に興味のある方は教室にご相談をお願いします)