糸島ではおおむね8月から10月までで稲刈りをします。
この時期の晴れた日には、どこかの田んぼからの「ガーーーー、ピーッピーッピーッ」というコンバインが稲を刈る音と方向転換するときの注意音が聞こえてきます。
10月下旬の晴れた日に可也小学校そばの田んぼでも稲刈りが行われました。するとコンバインの動作音が聞こえてくる中に、「ピーヒョロロ、ピーヒョロ」という聞き覚えのある鳴き声が。トンビ(トビ)です。
トンビは河口、海岸、河川など水辺でよく見かける鳥で、糸島の漁港でもおなじみです。しかし可也山の裾野にあり、周囲を田畑や住宅地にかこまれた可也小学校の近くでは、それほど頻繁に見かける鳥ではありません。よく海辺から可也山を越えた田畑での稲刈りに気づくものだと感心します。
調べてみると、トンビは特に視力がよく、人間でいう7.0〜8.0の視力があるそうです。あるTV番組の実験では、50m先から2mmほどの肉片を見つけて、飛んできて食べていったというから驚異的です。そう考えると、上空から稲刈りをするコンバインを見つけるのは、トンビにはたやすいことなのでしょう。
トンビたちは稲の中にいるカエルやバッタ、トカゲなどをエサにするために、コンバインを恐れることもなく上空10mくらいのところで旋回しながら様子をうかがっていました。徐々に高度を下げながらコンバインのそばを飛んでいたかと思うと、すっと1羽のトンビが急降下。稲穂スレスレまで降りてきたかと思うと、また飛び上がって行きました。何かを捕まえたのかもしれないけれど、よく見えず、一瞬のことでした。
その後トンビは稲刈り後の田んぼでアオサギとエサになるもの探してウロウロしていましたが、やがて空高く舞い上がっていきました。
365mある可也山を越えて舞い上がっていったトンビは、はるか上空からまた別の田んぼの稲刈りを見つけていたのかもしれません。
トンビはどのくらい内地の田畑まで現れるのか。雷山や怡土校区などの山沿いでトンビを見かけた方はご一報ください。来年は稲刈りの時期に見に行きたいです。