アメリカから九州大学工学科に入学した、グロンナランド・ハヤット・エリックさん（22）が8月に卒業を迎え、帰国することになりました。
大学では20以上のサークルに所属し、放課後児童クラブでのアルバイトや子ども食堂でのボランティア活動などにも熱心に取り組み、多くの学びを得たというエリックさん。日本での学生生活を振り返り、「人として成長できた」と晴れやかな表情を見せました。
入学当初、日本の学生たちの努力に感動したと話すエリックさんですが、「日本にいる間は絶対に英語を話さない」と心に決め4年間を過ごしました。その努力のかいあって、今ではすらすらと日本語で学生たちとのおしゃべりを楽しんでいます。
6月18日は、「いとしまこども食堂 ほっこり」での最後の活動日。
「何かしたいことはある？」と代表から問われたエリックさんの答えは、「アイロンビーズがしたい！」でした。
そして開催された食堂イベント「アイロンビーズを作ろう！」。初めは不思議そうな面持ちで部屋に入ってきた子どもたちが、机に並べられた作品を見るなりふわっと笑みを浮かべます。
作りたいデザインが決まったら、専用の板にビーズを並べていきます。見本通りに、配色を考えながら、一つずつ、慎重に…と、神経を使う作業ですが、やってみると子どもだけでなく大人もすごく熱中してしまいます。エリックさんが「家でのストレス解消法」だというのも納得です。
みんな、食事を忘れるほどに熱中していました
子どもたちがビーズを並べ終わったら、エリックさんが一つ一つ丁寧にアイロンで加熱して固めます。温度や加熱時間、冷まし方などのコツを熟知しているので仕上がりは完璧！
「こんなに熱中するなら家でもやってみよう」とお母さんたちも驚きの表情
「自分の好きなことで子どもたちが喜んでくれるとうれしいですね。高学年の子を夢中にさせるのは難しいと思ったけど、ずーっと夢中になって作ってる（笑）。大成功だと思います」とにっこり笑うエリックさん。そんな話の途中にも「アイロンお願いしまーす！」と呼ぶ声がかかり、エリックさんは弾むような足取りで部屋を行ったり来たりしていました。
エリックさんはアイロンが手放せない状態に。
帰国後はアメリカの大学院へ進学し、さらに研究に励むエリックさん。勉学もさることながら、子どもと接することが好きという気持ちと日本で得た数々の経験を生かし、アメリカで子ども食堂を開くことも目標の一つだとか。
明るくフレンドリーで、チャレンジ精神に溢れるエリックさんの今後の活躍を、心から応援しています！
