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料理人の「欲しいもの」が揃う久保田農園~ベジフルフラワーアーティストが見学

地中海沿岸を原産地とするヨーロッパの春野菜、アーティチョーク。スーパーではあまり見かけないこの野菜、日本国内でもごく限られた地域でしか生産されていないそうだが、実は、ここ糸島でもアーティチョークが栽培されている。

アーティチョーク(和名:チョウセンアザミ)

生産・出荷を行っているのは、糸島市志摩桜井にある有限会社久保田農園。広々とした畑と40本ものビニールハウスがあり、常時約100種類の西洋野菜やハーブ、エディブルフラワーを生産している。
しかも、どれも普段目にしない珍しい品種ばかり。なかなか手に入らないうえ、それぞれの色や形、香りに特徴があり、見学に来る料理人たちのインスピレーションを刺激している。「ここに来れば何かひらめく」と、常に新しさを追求する料理人たちを唸らせる、まさにアイデアの宝庫だ。

「九州産のアーティチョークがあったなんて!」
そう声を弾ませて農園を見学に訪れたのは、野菜ソムリエ・ベジフルフラワーアーティストの佐々野祐加さんと森田ゆみこさん。アーティチョークは今まで千葉から取り寄せていたが、品物よりも高い送料がネックだった。
今回糸島に農園があると知り、熊本と福岡県朝倉郡からはるばる駆けつけた。

ベジフルフラワーとは、野菜や果物をブーケやオブジェとして仕立てる新しいアート。
見て・食べて・贈って、と野菜を存分に楽しめる
佐々野さんは、ベジフルフラワーアーティスト・プロフェッサーとして、熊本を拠点に国内外で活躍中だ
(写真提供:佐々野祐加さん)

見学では、久保田農園の社長・久保田真透(くぼたまさゆき)さんが、ハウスで栽培している葉野菜やハーブを一つ一つ摘んでは、特徴から育て方に至るまで丁寧に説明してくれた。
繊細な見た目からは想像がつかないパンチのある味と香りに、終始驚きっぱなしの二人。写真を撮ったり食べ方を尋ねたりしながら、熱心に耳を傾けていた。

「とにかく食べてみてください」
久保田社長に勧められ、まずは味見。甘かったりすっぱかったり、ピリッと辛かったり。次から次へと予想外の味が飛び出す
鮮やかな葉裏の色が映えるよう逆さに立ててみる。新たな発想
シーアスパラガス。
塩水で育ち、食べるとまさに塩の味がする。料理雑誌で知った社長が「糸島で作るのにもってこいだ」と何か国も回って種を探し求め、生産を始めた

そして、今回の目当てのアーティチョーク畑へ。
畑を見るなり二人から「わぁ」と歓声があがった。ハンドボール大のつぼみをつけた木がずらりと並ぶ、見慣れない風景。木そのものを見るのは初めてという佐々野さんと森田さんは、顔を近づけて興味津々といった様子で観察していた。

アーティチョーク畑

日本であまり生産されない理由をたずねると、「木が大きいんですよね」と久保田社長。面積を要する割に収穫量が少ないため、日本の畑で作るには効率が良くないのだという。

食用となるのは、若いつぼみのわずかな部分

「他の農家が作っていないものを作りたい」「お客様の望む形にできる限り応えたい」という思いから、少量多品目の生産に取り組んでいる久保田農園。

「料理人さんたちってすごいですよね。どんどん新しいものを作ろうとする。視察や見学に来られると私たちも刺激を受けて、この花を食べてみようとか、こんなサイズもいいんじゃないかとか、新たな商品を生み出すヒントをもらうんです」と久保田社長は話す。どんどん変化する食文化に合わせ、生産する側も新しいものを追求、挑戦し続けたいという意欲が伝わってくる。

私たちが帰る頃、農園の入口には採れたての野菜たちがきれいに箱詰めされ、爽やかな香りを漂わせて出荷を待っていた。
久保田社長をはじめ大勢の農園スタッフが手塩にかけて育てた自慢の野菜たち。糸島の海と山に囲まれたこの農園から、日本のあちこちで待つ料理人たちの元へと日々届けられている。

採れたてのアーティチョークを箱いっぱいに仕入れた二人。早速ブーケやオブジェに使うそうだ
(左から、佐々野祐加さん、久保田社長、森田ゆみこさん)
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この記事を書いた人

奄美大島生まれ、神戸育ち。2015年に初めて糸島に来たとき、青く透明な海に感動しました。自然が身近に感じられる糸島がとても気に入っています。育児がひと段落したら、釣り、登山、サイクリング…とやりたいことがいっぱい。海や山を見るたびうずうずしています。