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令和4年度いとしま市民ファシリテーター養成講座(後半)レポート

いとしま市民ファシリテーター養成講座の後半レポートです。さっそく見てみましょう!

第4回目(2月2日)

この日は、九州大学の田北雅裕先生に「子どもの声を聴く」という講義をしていただきました。田北先生は、九州大学での授業や研究だけでなく「SOS子どもの村JAPAN」や「里親養育支援事業 ファミリーシップふくおか」という組織や様々なプロジェクトに参画されています。糸島市では「糸島市子どもの権利委員会委員長」です。田北先生の高校生時代に居心地のよかった「橋の下」の空間、学生時代に始めた「trivia(トリビア)※意味:ちっぽけなこと、些細なことがら」というデザイン活動、社会福祉士という資格を取得しようと思った出来事など、場所と人、そしてアートとデザインの視点から、まちづくりにお話がつながっていきました。

田北雅裕先生
田北雅裕先生

福岡市の児童相談所のホームページのリニューアルをクラウンドファンディングで達成し、のちに他の地域の方にも「里親」について調べるときに見てもらえるようなホームページが完成したお話の後には「困難な状況、より切実な状況では、人としての在り方や姿勢を問われます」との言葉がありました。「様々な立場の人をつなぐときに、効率的な対応や解決を求められるためファシリテーションという技術が重宝されるということがあります、しかし一方で解決すべき課題にひとりの人として対峙する姿勢が大事」

2月2日 講座
同講座をかつて受講した一期生・二期生の希望者も聴講しました

後半は、児童相談所や里親と暮らす子たどもたちの気持ちを聞くには、という観点からスタートし、子ども本人と子どもの支援者であるまわりの大人との関係性を支えるツールの開発の話へ。「大人が『なんで?』と聞くと、子どもは抽象的でこたえられないことがよくある。大人が回答の選択肢を多く用意しておくと子どもは安心できる。」田北先生はカード実際に手に取り、どのように使うのか、どのような考えで作られているのかを説明されました。(フォスタリングカードキット TOKETA

2月2日講座 カード
田北先生が手掛けたフォスタリングカード「TOKETA」

最後に、田北先生が大事にしている対話とファシリテーションの50の秘訣より、特に子どもの声を聴くという点で大事なことをおしえていただきました。約2時間、盛りだくさんの内容であっという間でした。田北先生、ありがとうございました!

第5回目(2月9日)

第5回目と第6回目は、貴島道拓先生をお迎えしました。貴島先生は、2回目と3回目の講師を担当していただいた山口覚先生が主催する津屋崎ブランチでの活動の他、福岡テンジン大学理事、対話型イベントの企画などをされています。

貴島道拓先生
貴島道拓先生

今回の講座の前半は「ファシリテーターあるある」の話をしていただきました。「このやり方でいいのかな?不安・・・」「緊張する・・・」「参加者の特定の人の発言ばかりになってる・・・」こういった問題に対して、どんなアプローチや解決方法があるのか、おしえていただきました。

ワールドカフェ
ワールドカフェの体験

後半は、「ホールシステムアプローチ」という手法のひとつである「ワールドカフェ」を受講生に経験してもらいました。対話のテーマは「「「5年後のいとしまはどんなまちになっていてほしいか」」」正解のないテーマの対話への取り組みです。

グループメンバーのいれかわり
メンバーは旅人のように他のグループも訪れ対話します。

各グループ、同じテーマで話をしているけれど、対話に出てくる内容は異なるのがおもしろいところ。いろんな人がいろんな意見を持っていることに気づきます。最後に、各グループでファシリテーターを担当した方へのフィードバックと貴島先生への質疑応答の時間にて、本日の講座は終了いたしました。

第6回目・最終回(2月16日)

早いもので、最終回の第6回目。今回も貴島先生に来ていただきました。まずは前回のおさらい。

前回経験したワールドカフェのふりかえり

今日は模擬会議に挑戦です。「皆で地域のことを知り、皆で共有する場」このテーマについてグループで意見を出してまとめます。役割決め、時間配分、意見のまとめ方・・・これまでの講座で学んだ様々なことがらの実践です。

2月16日2枚目
記録も大事
2月16日3
各グループの対話を全体に共有

模擬会議の時間が終わり、各グループの発表を行いました。そのあとは、グループでファシリテーターを担当した方の感想を共有しました。「これでいいのかな?みなさんがあれ?ってなってないかと不安になった。」「会議の進行と時間配分の両方に気をつけるところが難しかった」経験してこその実感をお話してくださいました。

最後に、「ファシリテーター養成講座、どうだった?」という問いについて、各グループで対話をしました。「回を重ねるごとに受講生同士の距離が近くなり、お話がしやすくなって楽しかった」「発言しにくい参加者の声を引き出すというようなファシリテーターの技術や視点で学ぶところがあった」「子どもたちにもファシリテーションの経験や学びの機会があればいいのに」「現実の場でチャレンジしたい」「決定事項がくつがえるところを見たい」「講師の先生方がファシリテーターを実践する場を見てみたい」という声があがりました。

貴島先生からは、「人生はワールドカフェだと感じます、自分が学んだことを自分と接した人にお伝えして、またその人からも学びを共有してもらって、と自分を開いていくことを大事にしたいと思います。今日が終わりではなく今日がスタートとしていってほしいです」とのお話で、講座は終わりました。貴島先生、2回の講座をありがとうございました。


いとしま市民ファシリテーター養成講座は全6回をとおして、ファシリテーターの技術・スキルの習得にとどまらず、自分の身近にある会議や話し合いに役立つ視点や考え方、実践例などを提供しています。「話し合いが変わると社会が変わる」この学びによって、糸島で暮らす人々の生活が少しよくなる、その小さなちからになっていってほしいと考えています。〈終〉

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