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4つの「座」が執り行う 志摩の井田原神社の宮座祭

井田原(いだわら)地区は、志摩地域の中心部に近く、志摩中央公園や志摩図書館から北に少し行ったあたり。昔から農業が盛んで、稲作の他にみかんの農家も多く、秋から冬にかけて直売所では井田原で作られたみかんが棚に並ぶ。

井田原地区の氏神の井田原神社は、県道85線の東側に鎮座する。明治5年に当時の井田原村の神社に定められたといわれ、150年以上の歴史を持つ古い神社だ。

井田原神社

この井田原神社で、10月15日に宮座祭りが開かれ、約20人が参拝に訪れた。井田原神社の宮座は農業と結びついた祭りで、毎年2月と10月に開催される。2月は新しい年の五穀豊穣と地域の安全と平穏を祈願し、10月は豊かな収穫を感謝する。

10月の宮座では、その年に実った農作物や魚を神様に供える。今年の祭壇には鯛、清酒、甘酒、野菜、果物、塩、米が供えられていた。米は昔は井田原にあった神田で作った新穀米を納めていたそうだ。ただ、約60年前は稲刈りの時期は11月ごろと今よりも晩く、神田の新穀米が実際に供えられたかどうかは分からないという話もあった。

秋の宮座祭の供え物。

井田原神社の宮座は「本座(ほんざ)」「東座」「西座」「樗木座(ちしゃきざ)」という井田原にある4つの「座」で運営されている。神社総代を務める樗木貞幸(ちしゃきさだゆき)さん、東座の樗木一(ちしゃきはじめ)さんによると、宮座は二十数名が立ち上げた本座によって始まり、その後に他の座も作られて現在の形になった。昔は座の仲間内でお金を積み立て、貸し借りにあてた「講」も行われたという。

宮司から玉串を受け取る座親の方々

4つの座のそれぞれの代表者は「座親(ざおや)」と言われ、神事の中では宮司から玉串を受け取り柏手を打つ。神事の後で座親はお祓いの串を預かり、自宅の神棚や床の間に飾っておくそうだ。

東座の座親の樗木一さん。

樗木貞幸さんは「コロナのせいで、新しいしめ縄作りも氏子さんたちに手伝ってもらうことができず、神社総代の数人だけで5日間かけて縄をなって、手のひらもこすれて大変だった。今後は地域の若い人たちにもしめ縄の作り方などを伝えて、伝統をつないでいきたい」と話した。

井田原神社の年内の大きな神事は秋の宮座が締めくくりとなる。入口の門中には、樗木さんたちが作った新しいしめ縄が掛けられていた。縄の端に取り付けられた稲穂から、今年の豊かなみのりが感じられた。

しめ縄にくくられた稲穂。ちなみにこの稲はもち米
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この記事を書いた人

糸島市在住のフリーライター・企画ディレクター。糸島のシンボル可也山(365m)が365日眺められるところに住んでいるが、登山歴はまだ4回。2回死にかけ、1回遭難しかけた。
→2021年に何に取り憑かれたのか、可也山に登らずにはいられない体質になり、月3〜5回登頂している。でも痩せない。
土木と物流と地名と炭水化物が好き。妊婦ではありません。