2024年の糸島新聞暑中号では、孫が食べたい「孫とおばあちゃんの『お結び』料理」を取材しました。
今回はその時のこぼれ話をささ日でお届けします。
波多江の小笠原孝子さん
私が取材に伺ったのは波多江の小笠原さんのお宅。
「こんにちは~」と門をくぐると
「よう来てくれたね~。唐揚げ、揚がりよるよ〜」と孝子さん。
そして、孫の都さんと隆悠さん、犬のムギちゃんが迎え入れてくれました。
その時は、「おばあちゃんの唐揚げ」をメインに取材をしたのですが、
孝子さんの話はどれも「へー!」「ほぉ!」と面白いものばかりで、ついつい長居。
私が帰った後、都さんから「あの人はじめて来たのに、おばあちゃんとたくさん話してたね」とあきれられたほど。
今回はそんな孝子さんのお話の中から、料理にまつわるエピソードを中心にご紹介します。
誕生日ケーキにも勝る 孝子さんの玉子焼き
お料理好きで、人好きの孝子さん。
色々なシーンで知り合いや友人に手料理の差し入れをしているそうです。
ある時、娘さんの職場に玉子焼きの差し入れをした際、それが同僚のお子さんにまで渡ったようで。
その子は食べたとたんに、この玉子焼きのファンになり、ひとこと。
「次の誕生日、ケーキいらんから、おばちゃんの玉子焼きが欲しい!」
孝子さんは半信半疑で玉子焼きを1本プレゼント。
後日、年の数だけロウソクの立てられた玉子焼きの写真が送られてきたんだとか。
孝子さんのお宅の冷蔵庫をのぞかせてもらうとびっくりする量の卵が入っていました。
「いつもこのくらい入ってるのよ。だって玉子って色々使うでしょ?」と。
いえ、我が家には10個あれば多い方です…。
玉子はいつも同じ養鶏場のものを揃えているそう。
醤油などの調味料もこだわりのもの。
孝子さんの玉子焼き、食べてみたいものです。
冷蔵庫には他にも大量の○○が!
卵の下の引き出しには大量のワカメと茎ワカメが入っていました。
これも福吉の決まったところから一気にたくさん買い付けるんですって。
ワカメの時期を待っているご友人にそのまま送ってあげたり、調理して知り合いに配ったり。
私もひとつ、お土産にいただきました、ワカメの甘辛漬け。
コリコリとした歯ごたえとクセになる味わい。
娘が食べるなり「またもらってきて!」と。
孝子さんファンがまたひとり増えました。
大量と言えば、もうひとつ!夏の大仕事!
料理の話をしていて、ふいにため息を吐く孝子さん。
「これからさ、奈良漬を仕込む季節に入るのよ」。
聞くと、この夏で200㎏仕込むとのこと!
驚きです!一般家庭の量じゃない!
それでも「待っている人がいるから~」と、なんだかうれしそうな表情でした。
人とのつながりは宝
取材中、度々孝子さんの口から出た言葉です。
波多江の行政区長を務めた10年間も、本当に色々な人たちの助けがあったからこそやってこれたんだと、教えてくれました。
「生きていればいるだけ、人とのつながりが増える。これは宝だよ。人に恵まれて、今の私がある。人間、ひとりでできることなんてほとんどない。付き合い始めたら大事にしたいよね」。
そう語る孝子さん。
「これで、今日また友だちがひとり増えたわ。また来てね」と、笑顔で送り出してくれました。
奈良漬ができあがった頃に、お電話くださるそうです。たのしみ♪