多少のけがはなんのその!
自由を尊重する糸島の遊び場
「危ないから、木登りはだめ!」「やけどしちゃう、火から離れて」「刃物はまだ早いよ、けがするよ」子どもたちに、ついついそんな声掛けをしてしまうこと、ありませんか?
「ぼくらの遊び場 プレーパーク」では、子どもの遊びに禁止事項をつくりません。登った木の上でのんびりお菓子を食べたり、端材にくぎを打ち込んだり。
延々と泥だらけになりながら穴を掘る子もいれば、黙々と炭火でべっ甲あめをつくる姿も…。モットーは、「けがと弁当は自分持ち」。何をするのも自由なのです。
「こどもの遊びは うるさく 汚く 危なっかしいもの
でも、危険があるから自ら注意するし 冒険心や挑戦心もわく」
プレーパークの運営団体「いとしまの遊び場ったい!」のホームページにある言葉です。
この通り、プレーパークでは何をするのも自由。少々危険なことも禁止せず、何かを強制したりもしません。まず子ども自身が考え、思い思いに遊びます。もちろん、人や物を傷つけないよう、重大な事故につながらないよう大人たちが見守りますが、基本的に手や口は出しません。
プレーパークにあるのは、たき火や木、砂地、端材と工具、縄など。遊具やルールのある遊びに慣れた子どもたちは、最初、戸惑うこともあるようです。
「『何をしたらいいの?』と聞いてくる子は多いです。そんなときも『何をしてもいいんだよ』と伝えるにとどめ、こちらから何かを勧めることはありません。『何がしたいかを子ども自身が考えること』を大事にしています」と、代表の奥村亮介さん。
わが家の子どもたちも、プレーパークが大好き。真っ先に木に登り始める長女に、一人で集中して工作をする長男。親の存在も忘れ、それぞれが自分の好きなことに没頭する姿に感動したことを覚えています。
奥村さんはじめ、スタッフは皆ボランティアで、平日は別の仕事をしている社会人もいれば、子育て中の主婦、中学生・高校生など、年齢もバックグラウンドもさまざま。
子どもたちを見守りながら、一緒になって遊んだりと、プレーパークになくてはならない存在です。 こうしたスタッフ以外にも、見守りの目は多ければ多いほど安全につながるため、子連れのお父さん・お母さんはもちろん、ボランティアに興味のある学生や地域の方たちにも、気軽に遊びに来てほしいと奥村さんは言います。
「ぼくらの遊び場 プレーパーク」は、糸島市潤にある「糸島市健康福祉センターあごら」のやすらぎ広場にて開催しています。開催日は、ホームページやSNS(facebook、LINE等)でご確認ください。
開催時間内ならいつでも出入り自由。小学生は一人で参加できますが、未就学児は保護者同伴必須です。
「子どもにとって『イベント』ではなく、いつでも当たり前にある『遊び場』でありたいと思っています」と奥村さん。
日曜日、どこに行こうか迷ったら、足を運んでみることをお勧めします。きっと、子どもの遊ぶ力に驚かされるはず。
【取材者】ママライター 豊田 里美
※この記事は2019年9月1日現在の取材情報です。
【利用料金】無料
団体名 いとしまの遊び場ったい!
住所 (活動場所)福岡県糸島市潤1丁目22−1
糸島市社会福祉協議会 あごら やすらぎ広場
電話番号 090-4474-2557(代表 奥村)
HP https://itoshima-asobiba.jimdo.com
E-mail okumuravolunteer7@gmail.com (代表 奥村)