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心と体温まるふるさとの味。母国料理で乗り越えた異文化での暮らし

福岡市西区に住むインドネシア出身のイチャさん(本名:ノサ・ハルマディアさん)は、2人の息子をもつお母さん。子育てが一段落した今、手芸にダンス、スポーツなど幅広い趣味を楽しんでいます。

とても手先が器用なイチャさん。インドネシアに里帰りする際には、お土産を手作りして持っていくのだそう。
11月26日の糸島新聞では、庭で育てているガランガというスパイスを紹介しました。

イチャさんが日本に嫁いできたのは21年前。言葉もわからない異文化の国での暮らし、特に子育てにおいては苦労の連続でした。一番の壁は何といっても言語。生まれたばかりのわが子を日本語で育てるためにも、テレビドラマを見て覚えたり、教室に通ったりして勉強しました。また、公民館で開かれる子育てサロンも大きな支えになったといいます。「子どもの育て方や関わり方を教えてくれる講座はとても役に立ったし、サロンで友達もたくさんできた。本当に助かった」と当時の思いを噛みしめ振り返ります。

母国を離れた寂しさと心細さに加え、右も左もわからない異国の地での子育てに奮闘する日々…そんな中、心と体にいつも元気をくれたのは母国インドネシアの味でした。

スパイスの香り染みこんだチキンの炙り焼き「アヤンバカル」は、昔から子どもたちの大好物。
栄養価が高く、薬草としても使われるというパパイヤの葉の炒め物。

イチャさんの台所から漂うおいしそうな香りに「いい匂い」と声をかけたご近所さん。イチャさんができあがった料理を持って行くととても喜び、以来、たびたび料理の交換をするように。「インドネシアの人はお喋り好き。ジェスチャーでも何でもいいからたくさん話がしたい」ーそんな明るくフレンドリーな性格も相まって、地域の人ともあっという間に打ち解けました。

スパイシーな料理からスイーツまで、味わい豊かなインドネシア料理。イチャさんが開く料理教室には、すっかりその味のファンとなった参加者たちが毎回顔をそろえるのだとか。

1回の教室で作る料理は3品。毎回20人ほどが集まります。皆、次のレシピを楽しみにしているそう。
スパイスたっぷりの甘辛いたれを絡めたエビ料理「ウダンバラド」
黒みつの入った餅にココナッツをまぶしたスイーツ「オンデオンデ」

イチャさんの自宅の庭は、料理の風味付けに使うハーブを始め、季節の野菜や花でいっぱい。土づくりは自己流だそうで、どれもみずみずしく生命力に溢れています。

縁側に木陰を落とすバナナの木。葉は、蒸し料理など料理を包むのに使います。
真っ赤に色づいた唐辛子。アジア料理はこれがなくては始まらない…?!

「日本に来たばかりの頃は大変だったけど、今はとっても幸せ」と満面の笑みを見せるイチャさん。今は週2回のインディアカ(羽付きのボールを手で打ち合うスポーツ)に夢中です。次にインドネシアに帰ったら「懐かしい故郷の料理をたくさん食べたい」とにっこり。ふるさとの味は、ずっと変わることのないイチャさんの心の糧です。

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この記事を書いた人

奄美大島生まれ、神戸育ち。2015年に初めて糸島に来たとき、青く透明な海に感動しました。自然が身近に感じられる糸島がとても気に入っています。育児がひと段落したら、釣り、登山、サイクリング…とやりたいことがいっぱい。海や山を見るたびうずうずしています。