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人と人とのつなぎ役になって、地域へ恩返しをしたい

特集記事「糸島の母ちゃん数珠つなぎ」

「子育て期の女性=母ちゃん」が百人いれば、ライフスタイルや考え方は”百態百様”。地元で、地味に、地道に活動や仕事をしながら日常を生きる母ちゃんには、魅力と潜在能力と底力がいっぱいです。

そんな糸島の母ちゃんたちをフォーカスして数珠つなぎに紹介していきます。母ちゃんたち一人一人の生き方は、きっと誰かの道しるべになることでしょう。

数珠つなぎ 第2珠

のわたり しの
埜渡 志乃さん

(12歳女児・10歳女児・8歳男児の母/糸島歴11年)

私が思い描く地域の在り方を形にしているのがマイレでした

---今、力を入れていることはなんですか?

NPO法人マイレ(以下:マイレ)で看護師として働いています。2017年に設立したマイレが、2019年の5月に訪問看護ステーションを開設することになり、声をかけてもらいました。

糸島に移住して11年。地域の人と関わる中で「いつか、地域に幅広い世代が集える場を作りたい」と考えていました。マイレは「赤ちゃんからお年寄りまで、みんなが互いに尊重し、自分のできることをして支え合う、ぬくもりのある地域社会を目指す」という理念を掲げています。

まさに、私の思い描く地域の在り方を形にしているなと思いました。迷うことなく就職を決めましたね。

訪問看護は、一人で何人もの患者さんを受け持つ病院勤務とは違い、利用者さんやご家族とじっくり関わることができて、やりがいを感じます。住み慣れた家で、その人らしく暮らすお手伝いができてうれしいです。

また、月に1回、白浜町公民館で「暮らしの保健室」を開催しています。日常の不安や困りごとを相談できる場を提供するとともに、レクリエーションや講座等も開いています。

レクリエーションには子どもたちが参加することもあり、幅広い世代が一緒に楽しむ姿を見るのが好きです。

「みつばちおうちえん」で子育ての価値観が変わりました

---これまでやってきたことを教えてください。

糸島市志摩久家にある保育施設「みつばちおうちえん」に携わってきました。

園の前身のサークルに参加しており、園を作るところからお手伝いさせてもらい、3人の子どもたちが通いました。私は1年8か月、保育補助スタッフとして関わりました。

みつばちおうちえんでは子育てに関する価値観が大きく変わりましたね。それまでの私は、子育てを人に頼ることはあまりありませんでした。「人に頼ることは迷惑をかけてしまう」と考えていたんです。

でも、園のお母さんたちは、お互いに子どもを見て、どの子に対しても分け隔てなく接していました。抱っこしたり、時には注意したり―。子育てを人に頼っていいこと、みんなで子育てをする楽しさを教えてもらいました。

「食」についてもたくさん勉強をしているお母さんたち。食の大切さを実感する日々でした。

大好きな「糸島二丈絆太鼓」を親子で楽しんでいます

---糸島では、普段どんな暮らしをしていますか?

3人の子どもが「糸島二丈絆太鼓」に入団していて、練習に合わせた生活を送っています。もともと私がファンで、コンサートは子どもが小さい時から見に行っていました。

糸島二丈絆太鼓は、小学校1年生から高校3年生までが加入し、週に5~7回の練習をしています。集中力や体力を養えるのはもちろん、小学生から高校生までが兄弟のように触れ合えるのがいいですね。高校生が遊んでくれると、小学生は大喜びしています。

太鼓などの機材出しは、年上の子たちが下の子に指示を出します。いつか自分の子もあんな風に頼もしい姿になるのかと思うと、今から楽しみです。

地域の人の温かさに囲まれて子育てしています

---糸島で子育てをしてよかったと思うのはどんなことですか?

地域の人が親切で、子どもたちをかわいがってくれることです。

特に、引っ越してきて間もない頃から、当時の行政区長さんには親切にしてもらいました。行政区の集まりでは、人と人とをつなぐ役割を担ってくれて、区長さんを通じてたくさんの知り合いができました。

子どもたちにも幅広い世代の人と交流を持ってもらいたいと考え、餅つきや行事後の打ち上げには積極的に参加しています。子どもが少ない地域なので、皆さんとてもかわいがってくれます。

「野菜ができたから採りにおいで!」と子どもたちに野菜の収穫をさせてくれる人。子ども服のお下がりをくれる人。庭に植える花を持ってきてくれる人。いつも地域の人の温かさに囲まれています。

看護師として、地域の人と人とのつなぎ役になりたいです

---これからやってみたいことはありますか?

マイレの活動をもっと深めていきたいなと思います。今後、マイレではホームホスピスや地域食堂を展開する予定です。

ホームホスピスは、自宅に近い環境で自然な看取りができる場所です。「人生の最後をその人らしく過ごすには、どのような関わりが大切なのか」。自分なりの考えを持つために、日々、関連本を読んで勉強しています。

地域食堂は「食を通して、小さな子どもからお年寄りまでが集まれる場を作ろう!」との思いで準備を進めています。地域の居場所づくりは、以前からの希望なので、今から力が入りますね。

暮らしの保健室や地域食堂が、地域の人の集う場所となり、そこで人と人がつながって、お互いが支え合う関係ができたらいいですね。

当時の行政区長さんが私にしてくれたように、今度は、私が人と人のつなぎ役になって、地域の人に恩返しをしていきたいです。

―――次の人の紹介をお願いします!

「みつばちおうちえん」の園長や「産の森学舎」事務局長をしている大松久美子さん。穏やかな雰囲気からは想像できない、確かな行動力と豊富な知識を持つお母さんです。

―――埜渡志乃さん、ありがとうございました!

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