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“半農半木工”が理想の暮らし。自然に還る素材で作る生活の道具を広めていきたい

特集記事「糸島の母ちゃん数珠つなぎ」

「子育て期の女性=母ちゃん」が百人いれば、ライフスタイルや考え方は”百態百様”。地元で、地味に、地道に活動や仕事をしながら日常を生きる母ちゃんには、魅力と潜在能力と底力がいっぱいです。

そんな糸島の母ちゃんたちをフォーカスして数珠つなぎに紹介していきます。母ちゃんたち一人一人の生き方は、きっと誰かの道しるべになることでしょう。

数珠つなぎ 第4珠

みぞぐち ようこ
溝口 陽子さん
(12歳男児・5歳女児の母/糸島歴12年)

読み聞かせボランティアで子どもたちに本の世界の素晴らしさを伝えています

――― 今、やっていること、力を入れていることはなんですか?

杉の木クラフトの商品の発送や経理をしています。

「杉の木クラフト」は、木工作家の夫が身近でありふれた杉の素材の良さを生かしお弁当箱などを手作業で作っている工房です。

また、引津小の絵本の読み聞かせボランティア「かたつむりの会」で活動しています。

今年から代表を引き継ぎました。小学1、2年生の時期の読み聞かせがとても大切で、子どもたちがお話好きになると聞き、息子が2年生のときに参加したのがきっかけです。

絵本は、よその国や遠い昔の世界に子どもたちを連れていってくれます。

私自身小学5年生の時に読んだミヒャエル・エンデの「モモ」は今でも大切な宝物の1冊です。人の価値観に興味をもち、海外への関心が高まるきっかけになりました。

子どもたちは読み聞かせの回数を重ねるごとに、だんだん長めのお話でも飽きることなく耳を傾けることができるようになります。目をキラキラさせて聞いてくれている姿を見ると、やりがいを感じます。 読み聞かせに入ることが多かったクラスの子どもたちはお話が好きになるようで、本の貸出冊数も多いみたいです。「次はいつ?」と楽しみにしてくれる子も多く、うれしいですね。

子うさぎましろのお話

持続可能な木工の世界へ。買うより作れるものは作るという発想に。

――― これまでのキャリアややってきたことを教えてください。

27歳の時、大分県の中津江村にある林業の会社に就職し、木工の世界に入りました。子どもの頃、祖父が植林プロジェクトに携わっていたのもあり、山や林業に自然と親しみを持ち、手に職をつけたいと思っていたからです。会社では、地域の間伐材を皿などに加工し付加価値をつけて、地域の活性化を実践している「アトリエとき」の時松恒夫さんの指導を受けました。

その後、木工部門で独立し結婚。中津江村に7年間暮らしていました。当時はスーパーへ行くのも片道40分かかりました。買いに行くより作れる物は作るという発想になり不便を楽しみながら生活していました。コーヒー豆を焙煎し始めたのもこの頃からです。 平成20年に借りていた工房の老朽化と長男の誕生を期に、実家のある福岡へ拠点を移しました。

夫の伸弥さんと息子さんが一緒に作った杉のテーブルと陽子さんが生豆から焙煎したコーヒー
漆の弁当箱

“半農半木工”が理想の暮らし。子どもたちと一緒に“農”をおもに担当しています

―――糸島での普段の暮らしや子どもとの過ごし方を教えてください。

田んぼを借りて11年目です。長男は、1歳の頃から田んぼに入っています。手植えと鎌での稲刈り、天日干し。ここ2年はイノシシが食べに来て、収穫量が減ってしまっていますが、順調に収穫できた年は無施肥でも家族が食べる分をまかなえていました。

自宅の裏庭の畑には梅やミカン、ブルーベリーなど10種類以上の果樹があります。

畑で5歳の娘と一緒に野菜の収穫と水やり、草取りをして畑の横に設置しているミツバチの巣箱が元気か様子を見るのが日課です。 野菜、果物も自給自足したいです。”半農半木工”が理想の暮らし。子どもたちと一緒に“農”を担当し、いろいろなものを自分たちでつくる生活を楽しんでいます。

工房の下にある2枚の田んぼ
ミツバチの巣箱

子どもたちと一緒に自分たちの食べるものを作る経験を大切にしたい

―――糸島で子育てしてよかったと思うのはどんなことですか?

海と山と自然の中で子育てできることがとてもありがたいです。暑い日はお散歩ついでに海で泳いでいます。野菜づくりでは子ども達と一緒に自分たちの食べるものを作る経験を大切にしたいですね。

また、糸島には、食や子育て、環境問題など知識が豊富な人がたくさんいます。いろいろな人の考えや意見を交わすことができて刺激になります。

杉の木クラフトの工房内の様子

自然に還る素材で暮らしに生かせる道具を広めていきたい

―――これからやってみたいことは?

杉の良さをもっと伝えていきたいですね。杉は日本の山に豊富にある身近な素材です。小さな物から家まで建てられる無限の可能性があります。杉の弁当箱は、手入れをすればずっと使い続けられます。

実際の製作はしなくなったけれど、新製品の提案や、使いやすいサイズの検討などをしていて、今はサンドイッチ用のお弁当箱を考案中です。「あったらいいな!」と思うものが形になった時はすごくうれしいです。自然に還る素材で、日々の暮らしに生かせる道具を作り、広めていきたいです。

読み聞かせやみつばちおうちえんの子どもに関わる活動にも引き続き携わりたいです。自分にできることが何かを考えながら、より良い環境を作っていきたいです。

皆が楽しく幸せに暮らしていくお手伝いができたらいいなぁ思います。

――― 次の人の紹介をお願いします!

「アロマの工房 香の宮」の阪井麻紀さんです。「糸島しましまプロジェクト」や「幸せの黄色い絵本カープロジェクト」などパワフルに活動している頼れる存在です。

――― 溝口陽子さん、ありがとうございました!

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