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同じ釜の飯を食う~ゴハンヤ「イタル」、子ども弁当に取り組み中~

長糸にあるゴハンヤ「イタル」。通常営業が終わる頃、竈(かまど)に再び火がくべられる。
これから、子ども弁当を作るため、二つの竈をやりくりしながら9升の米を炊くのだ。

コロナで様々な状況に置かれている子どもたちのために何かできないかと、糸島しましまプロジェクト代表の阪井麻紀さんとまたいちの塩社長平川秀一さんの立ち話から始まった子ども弁当の取り組み。
ゴハンヤ「イタル」は、各所からの寄付や食材をやりくりし、飲食店ならではのスキルを生かして本格的な手作り弁当を提供している。
「とりあえず食べんしゃいプロジェクト」と称し、5月、6月は糸島の3会場で週1回、7月からは1会場で配布している。

この日のメインは甘酢餡をかけた豚のから揚げ。じっくりローストした野菜、塩を炊く釜でゆでる塩釜ゆで卵、そして生地から手作りのがんもどきが添えられる。

家庭ではなかなか手作りする機会がないがんもどき。直径60cmくらいの大きなボウルに、魚のすり身、水切りした豆腐、刻んだ野菜、調味料を入れ、全身を使いながらしっかり練る。160個分を一つ一つ丸めて油で揚げたら、ぷっくりとふくれたがんもどきの出来上がりだ。

お弁当の内容を考えるところから携わる厨房スタッフの笠原卓麿さんは、「店舗のメニューにないおかずもあるので楽しんでやっています」と笑うが、甘酢餡の大鍋をかき混ぜるその目は真剣だ。

全てのおかずが揃うと、お弁当パックを並べ盛り込み開始。当初は大量のお弁当つくりに慣れず手間取ったが、「最近は、スタッフ一同、本当のお弁当屋さんのように手際よくなり、手に取ってくれる子どもの笑顔を思いながら作っています」と手応えを感じるイタル店長有坂光葉さん。全て詰め終えたら、手描きのイラストの入った帯を巻いて出来上がりだ。

「難しく考えずとりあえず行動するというプロジェクトの姿勢に大いに刺激を受けました」と有坂さん。季節柄、保冷をしてのお弁当配布だが「人のぬくもりがきちんと伝わるよう、一つ一つ心を込めて作っていきたいです」と話す。

ふんわりと薪の香りが立ちのぼるお弁当が、今日もそれぞれの家庭で皆のお腹もこころも満たすことだろう。

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この記事を書いた人

名刺の肩書は「酒まんじゅう製作/ライター」。