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いろいろな国の人と謎解きウォークラリー 開催

ボランティア団体主催の外国人との交流イベント

糸島に住む外国人のサポートを行うボランティア団体「ともなう会」は、
7月3日、「親子で参加 いろいろな国の人と謎解きウォークラリー」を可也コミュニティセンターで開催した。

イベントには、小学校4年~6年の子どもとその保護者、外国人のあわせて28名が参加。
参加した外国人の国籍は、イタリア、スペイン、中国、ニカラグア、ブルガリアなどで、永住者や留学生が多く、
約2時間のプログラムでは、メインとなる子どもと外国人のウォークラリーのほか、保護者向けの「やさしい日本語」講座、外国人と保護者のトーク、子どもが感想などを発表するグループワークなどが行われた。

ウォークラリー

ウォークラリーのゴールはビンゴを揃えること。
ビンゴを揃えるには、会場周辺でヒントを探してクイズに答えるものと屋外で見つけられるものの2種類があり、
子どもと外国人がペアやグループで取り組んだ。

日本語をほとんど話せない外国人もいる中で、子ども達は身振り手振りや知っている英単語などを使って、
漢字で書かれたヒントや問題を説明。
クイズの中にはお互いの年齢を聞かないと解けないものや、数学の知識が必要なものなど、子どもの日本語力と大人の知識があって初めて解ける問題もあり、お互いに一生懸命に伝えあい取り組んでいた。
地図を頼りに約45分間で会場周辺を歩き回り、できるだけ多くのビンゴをそろえた。

ウォークラリーを終え、会場に戻った子ども達はそろったビンゴ数に応じて景品をもらい、参加した可也小5年の南陽貴君は、
「僕のペアの人は日本語はできなかったけど、英語で伝えることができた。勉強していて良かった」
と嬉しそうにはなしてくれた。
陽貴君のグループは、そろったビンゴは0個だったものの、親や教師から離れて外国人とコミュニケーションをとることができた達成感に満ちた顔が印象的だった。

参加した外国人の一人は、「本当に楽しかった。今日一緒になった子ども達とまた会いたい」と話し、イベントが交流が深まる機会となっていた。

「やさしい日本語」講座

会場に残った保護者は、外国人とコミュニケーションをとりやすくするための「やさしい日本語」の解説を受けた。
「やさしい日本語」とは、日本人が外国人に何かを伝えたいときに難しい言葉を言い換えるなど、相手に配慮したわかりやすい日本語のこと。
解説をした日本語教師の竹内芳子さんは、「やさしい日本語の始まりは阪神大震災。震災の中、日本語のほか英語で情報が伝えられたが、英語がわからない人には、避難場所がどこにあるか、救援物資がどこに来るかわからず、命を落とした人もいた」と話し、様々なルーツがある外国人に伝えるためには、英語だけではなく、よりたくさんの外国人に伝わるやさしい日本語が必要と説いた。

参加者たちは、通常使われている日本語をやさしい日本語になおすワークショップを行ったほか、ウォークラリーから戻った外国人と学んだやさしい日本語を使ってコミュニケーションをとっていた。


参加者からは「とても楽しく、良い経験になった。もっと外国人をサポートできるよう、家でもやさしい日本語に取り組みたい」「外国人とその家族が糸島にたくさんいると分かった」などの声があがった。

グループワーク 子どもたちからの発表

最後に、子どもたちがグループを作って今日の感想などを話し合い、大人たちの前で発表した。
「外国人の人が優しかった」「クイズを一緒に解くのは楽しかった」とイベントを楽しんだ半面、「今まで外国人と関わる機会がなかったけど、今回話してみたらとても楽しかったし、知ることができた」「伝えることが難しかった」「何を言っているのか分からなかった」などこのイベントを通して学んだことや苦労したことも教えてくれた。

初めて会う、しかも外国人と一緒に協力して行うウォークラリーは、参加した子ども達にとっては楽しむだけでなく、様々な学びを得る場となっていた。

交流や学ぶ機会を求める外国人

参加した外国人は交流を求めている人が多かったが、この2年間はコロナ禍では交流イベントも中止や延期が多く、そもそも来日できないケースもあるという状況だった。
交流する貴重な機会となった今回のイベントに参加した外国人は、「日本のライフスタイルが学べた」「家族との交流できるのが嬉しかった」「また参加したい」と話した。
この春来日した中国籍の男性は、「大学の研究員なので平日は仕事がとても忙しい。土日は時間があるが、大学での出会いはなく、友達ができない」と話し、来日してすぐのサポートの必要性があることも垣間見えた。

大学の移転や技能実習生の受け入れ増加等に伴い、糸島でも今や100人に1人は外国人だ。帰化した人や日本国籍を持つが外国で生まれた子どもなど、外国にルーツを持つ人を加えると更に多い。外国人と日本人が共生する社会のためには、自治体の支援はもちろんのこと、こうした市民ボランティアが担えることも大きい。

こうした興味のある方は、交流イベントに参加したり、ボランティアとして活動に参加することもできる。

ともなう会について

イベントを主催した「ともなう会」は、今回のような外国人や日本人が知り合うきっかけづくりのイベントの他、オンライン上で日本人と会話する「オンラインにほんごサロン」や、子育て中の外国人・外国にルーツを持つ子どものための場所である「多文化子育てぷらっとカフェ」などを主催。ボランティアで活動する会員も募集中。

最新情報はこちら↓

https://www.facebook.com/tomonow.itoshima

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この記事を書いた人

糸島市志摩に住む3児の母。
最近は子どもたちとキャンプに行くのがブームです。
キャンプ中に子どもたちと流れ星を見ましたが、願い事は間に合わず。