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自然の中で、子どもがその子らしくいられる場所を作りたい

特集記事「糸島の母ちゃん数珠つなぎ」

「子育て期の女性=母ちゃん」が百人いれば、ライフスタイルや考え方は”百態百様”。地元で、地味に、地道に活動や仕事をしながら日常を生きる母ちゃんには、魅力と潜在能力と底力がいっぱいです。

そんな糸島の母ちゃんたちをフォーカスして数珠つなぎに紹介していきます。母ちゃんたち一人一人の生き方は、きっと誰かの道しるべになることでしょう。

数珠つなぎ 第3珠

おおまつ くみこ
大松 久美子さん

(15歳女児・11歳男児・5歳男児・0歳女児の母/糸
島歴12年)

子どもの自ら育つ力と多様性を見守り、成長でき
る場所を作りたい

―――これまでのキャリアや、やってきたことを教えてください。

結婚してからは専業主婦で、保育士でも教員でもなくただのお母さんでした。

もともと本が大好きで、長女を妊娠後に、育児や発達、保育などの子どもの関連本をたくさん読みました。その中で「子どもは自ら育つ力を持っており、大人は見守ることが大事」だと学びました。

毎日子どもと接し、観察して分かったこともあります。それは一人一人が「違う」ということ、そしてその子にあった場所があるということです。

子どもの自ら育つ力と多様性を見守り、成長できる場所を作りたいと思い、同じような価値観を持つお母さんたちと、届け出保育施設の「みつばちおうちえん」を2011年に立ち上げました。

2015年に夫と友人夫婦と共に、小中学生が通うフリースクール「産の森学舎」を立ち上げたのも同じ思いからです。

子どもたちに自ら学ぶ力をつけてほしい

―――今やっていること、力を入れていることはなんですか?

みつばちおうちえんでは園長、産の森学舎では事務局長として、自然の中で、その子らしく遊んだり学んだりする場所づくりをしています。

産の森学舎では「自ら学ぶ力をつけてほしい」と考え、各講師が得意分野を生かして授業を組み立てています。計算や漢字などの基礎的な学習も、必要になった時に能動的に学ぶ、いわゆるアクティブラーニングの手法で学びます。

私が受け持つ「作家の時間」という授業では、物語や旅行記、詩、エッセイなど様々な文章を自由に書いてもらいます。その中で私は、良い所を認め、子どもが悩んだときには着地点を見つけるなどのサポートをします。

子どもは自分で辞書を開き、友達に相談し、互いにアドバイスし合います。授業を通し、想像力を働かせる、自分の言葉で考える、人に伝えるなどたくさんの「自ら学ぶ力」を得ています。

たくさんの「自ら学ぶ力」を身に付けるなかで、子どもたちには自己肯定感を持ってほしい。その上で他者の多様性を認められる人になってほしいですね。

糸島の野菜を、みんなで食べる時に幸せだなあって思います

―――糸島では普段どんな暮らしをしていますか?

ひめしま渡船直売所には、栽培方法にこだわった野菜を買いによく行きます。この直売所では珍しい野菜が買えるんですよ。福ふくの里のミカンもお気に入りで、頻繁に行きますね。

私は食べることが大好きなんです。直売所で野菜を買って、家で料理をして、みんなで食べる時には幸せだなあって思います。

また、園やスクールがお休みの日でも、運営に携わる大人たちが集まって話し合いをし、たくさんの子どもたちとわいわい過ごすのが日常です。

糸島は自然も人も豊かだと思います

―――糸島での子育てを通じて、得たことや良かったことなどを教えてください。

シンプルに子育てしても良いんだと気付くことができました。料理は凝ったものを作らなくても、糸島産の食材は素材が良いので、野菜は蒸して塩をかけるだけで十分おいしい。

特別な場所に行かなくても、子どもは身近な場所や自然の中で楽しいことを見つけます。「どんぐりを見つけた!」といった日常の小さなことを、意外と子どもは覚えています。特別な場所に出かけなくてもいいんですよね。

また、糸島は自然だけでなく、人のつながりも豊か。これまでに園の仲間や保護者たち、農家の方などたくさんの人と知り合いました。例えば、食卓にあるのは「○○さんが育てた野菜だよ」という風に直接つながりが見えます。それを子どもに見せられるのが本当にありがたいです。

子どもと一緒に、感動したり驚いたりしたい

―――これからやってみたいことはありますか?

今年、4人目の子どもが産まれたのをきっかけに、初心を思い返して、子育てにも園やスクールにも携わりたいと思っています。これは私にとってはチャレンジです。

子どもが新しい発見に喜んでいても、上の子の子育てで経験したことだと「良かったね」と見守るような姿勢でした。そうではなく、子どもと一緒に、同じように感動したり驚いたりしたいです。

みつばちおうちえんも同じ思いです。「その子らしく、そのまま育ってほしい」という願いを込めて当時の仲間と一緒に作りました。やがて仲間や関わる保護者は入れ替わります。

関わる人の持ち味で変化するのは良いことですが、「みつばちおうちえんらしさ」は保っていきたい。その変化を見ていくのが私の仕事だと思っています。

―――次の人の紹介をお願いします!

「杉の木クラフト」の溝口陽子さんです。ご自身も元々木工作家さんですが、今は広報や商品の発送などをされています。みつばちおうちえんを作ったメンバーの一人で、おおらかでとても丁寧な性格が魅力的な方です!

―――大松久美子さん、ありがとうございました!

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この記事を書いた人

糸島市志摩に住む3児の母。
最近は子どもたちとキャンプに行くのがブームです。
キャンプ中に子どもたちと流れ星を見ましたが、願い事は間に合わず。